検針機のトラブルシューティング

検針機のトラブルシューティング

機械が誤動作をしていると思われた場合、いくつかの原因が考えられます。
以下の点について調べてください。

ベルトの汚れ

ベルトは毎週、よく掃除してください。ベルトの表面は製品を置くため、比較的汚れやすいので、意識して掃除をしてください。毎日、使用していると外部から微少の鉄分を含むゴミ等が付着します。それらが溜まると機械は製品の中に針がなくても、その製品のすぐ下のベルトに付着した鉄分に反応してしまいます。
そういったことから長時間ご使用にならない時には、埃防止の為、検針機本体にカバーをかけて頂くことをお勧めします。ひどくなるとベルト交換が必要になります。
ベルトに付着した鉄粉が反応するのに、製品を乗せない状態でコンベアスイッチをONにすると、なぜコンベアベルトは停止しないのか?

検針機には、針が混入されているかどうかを検知する検針センサーと、製品が投入されたかどうかを検知する光電センサーがあります。検針センサーは、常時検出作業をしていますが、コンベアを停止するかどうかは、光電センサーが製品を確認したときに決定します。
つまり、光電センサーが製品を確認できないときは(ベルト上に製品がない場合)、検針センサーは検出反応があってもベルトを停止させません。
光電センサーはコンベアベルトの両サイドにあり、高さが約5mm位のところに設置されているため、光電センサーの光の位置より低い製品、つまり非常に薄い製品(厚さ4mm以下)では光電センサーの光の下を製品が通過してしまうため製品確認が出来ず、検出反応があってもベルトを停止しません。

ベルトの汚れを検出している場合は、機械の操作パネル上の針位置検出ランプ(HN-600Cでは8個、HN-610C/620Cでは10個)のどれかのランプが点灯します。あるいは、HN-610C/620Cでは検出反応レベルメーターが赤色まで点灯します。ベルト上に付着した鉄粉は、ベルトが回転すると、定期的に針位置検出ランプが点灯します。

外部ノイズによる誤作動

検針機のベルトコンベア上に製品を置いて、製品が検針センサーのところまで来たときに、外部から検針センサーの磁場を乱すようなノイズが入ると、ノイズによる誤作動となりベルトは停止します。 外部ノイズとしては以下のようなものがあります。
工場内の電磁クラッチモーター、ミシン、裁断機、梱包機、大型トランス、染み抜きガン、バキュームモーター、エレベーター、大型扇風機、工場外の鉄道などの大きな移動する金属体、変圧機、溶接機、高圧線、それ以外に検針機を使用する場合、作業者は携帯電話、鍵、時計など金属物を身体から外してください。また、検針機使用中は、金属製ハンガーラックなどが検針機の傍を通過する事がないようにしてください。
外部ノイズが作用していると思われるときは、まず原因となるノイズ発生源を特定する必要があります。検針機の場所を移動するか、ノイズ発生源となる機器を検針機から遠ざけてください。
検針機の上部に大型扇風機がある場合は、検針中は扇風機のスイッチをOFFにすることも必要です。
工場内のノイズ発生源が特定できない場合でも、たとえば、検針機の電源スイッチを入れ、運転スイッチがOFFの状態で、モニターの赤ランプが点灯していれば、外部ノイズを受けていると判断できます。あるいは夜間や、すべての機械の電源が入っていない条件で検針機のみを動かして、ノイズが入らなければ、工場内の何かが問題を起こしていると考えられます。 その状態で予想される機械類を一台ずつ作動させて、原因を特定してください。

内部ノイズによる誤作動

検針機からの内部ノイズとは、検針機自体が発生するノイズで、検針機自体の振動等があります。
検針機底部のアジャスターボルトは完全に固定してください。
床が弱い場合も検針機に振動を与えてしまい、誤動作の原因になります。検針機のアジャスターボルトの下に20cm角の板を敷くなどして、検針機本体の振動を減らすようにしてください。
検針機のカバーの止めネジなども、よく確認してください。カバーが振動して検針センサーに接触している場合も誤動作の原因になります。
検針機に使用しているベアリングが磁化している場合も、誤作動の原因になります。
脱磁機を使用して、ベアリングの磁力を取り除く必要があります。

製品不良による誤作動

商品のなかには、染料の種類によって検針機に反応する場合があります。多くの場合、特定の色に関しては検針機を通過するのに、他の色は通過しないといった症状があらわれます。また、靴製品などの底に多く使用されているラバーには、金属粉等が多く含まれている場合があります。こういったケースでは、製品の中に折れ針などのカケラが入っているわけではありません。微小の鉄分が製品全体に含まれていて、コンベア検針機がその全体量に反応するからです。このような場合、ハンディタイプでも検知できないことが多くあります。ハンディ検針器は一般的に製品に押し付けて検査する限りでは、コンベア検針機より微小のものを検出できますが、検知面積がずっと小さいので、その中での反応体はさらに少ないため、ハンディ検針器では検知できないことがあります。
またNC対策された金属付属物でも製品についている数量が多いと反応しやすい場合があります。

このような場合は、反応しない所まで感度を下げて使用する必要があります。感度を調整した後、要求される検針基準のテストピースを通して頂き、そのレベルで検針機が反応する(検針機が確実にテストピースを検出する)ことを確認してください。

※磁石の減磁
検針機は検針センサーに永久磁石を使用しておりますが、検針機の動作確認の為、ご使用前には必ずテストピースを所定の位置に流して検査をしてください。

NOTE:
HN-600CはHN-610C/HN-620Cの発売に伴い、1997年2月をもって製造終了。
HN-610C/620CはHN-630C/640Cの発売に伴い、2003年3月をもって製造終了。
HN-630C/640CはHN-650C/660Cの発売に伴い、2005年5月をもって製造終了。
HN-650C/660CはHN-670C/680Cの発売に伴い、2008年9月をもって製造終了。

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