接着の分類と接着材の種類/用途

分類

接着芯地の場合には、その接着性能から仮接着と永久接着の二つに分類することができます。接着芯地協議会による定義では、縫製作業上必要とされる仮止めを目的としたものが仮接着であって、接着力は縫製工程の縫いずれを防止し工程中の取り扱いに耐える程度です。このため縫い糸によって必要なステッチをかけなければ、衣料としての使用に耐えず剥離してしまいます。永久接着はその芯地を使用した衣料の実用期間中、取り扱いに対して、接着性能を維持できるものであり、この場合、洗濯やクリーニングの条件や頻度および耐用年数は、表地素材や衣料の種類によって異なります。また、接着の条件が適正でなければ、必要な接着性能を得ることができないので、永久接着タイプとはその可能性を示したもので、実用的に永久接着かどうかは、芯地の選定と接着条件の設定管理とにかかってきます。

  • 永久接着とはドライクリーニング、洗濯に対して接着を維持できるもの。
  • 仮接着芯地とは縫製作業を容易にする目的の仮止め。

種類

芯地に使用する接着剤は加熱により軟化して接着性能を発揮し、冷却によって硬化安定化するホットメルトタイプの接着剤が主として用いられます。現在、主として使用されている接着剤には次のようなものがあります。

1. ポリアミド系
2. ポリ塩化ビニール系
3. ポリエチレン
4. エチレン酢酸ビニール共重合物
5. ポリエステル系

 

用途

種類 特徴 主要用途 接着/温度 耐ドライ
クリーニング
耐洗濯 備考
ポリアミド 適用用途が広い 衣料全般
(主にドライクリーニング)
120~160℃ 特に
すぐれている
高温洗濯機には不適 低温型
(100~130℃)
耐洗濯型等もある
ポリ塩化ビニール 接着風合いが柔軟 衣料全般
(特に厚地)
130~160℃ すぐれている すぐれている 可塑化して使用
高密度
ポリエチレン
対洗濯・クリーニング性が良い ワイシャツ
(トップヒューズ)
150~180℃ すぐれている 特にすぐれている 接着には温度と高圧が必要
低密度
ポリエチレン
アイロン接着が可能 仮接着
(作業服等)
130~160℃ 溶解する 耐久力に乏しい ステッチが必要
エチレン・
酢酸ビニール
ポリマー(EVA)
アイロン接着が可能 仮接着 120~150℃ 溶解する 耐久力に乏しい ステッチが必要
齢化変性EVA アイロン接着が可能 ニット衣料
パーツ芯テープ
120~150℃ 耐久性がある 耐久性がある 高温(70℃以上)のバークレンに溶解
ポリエステル ポリエステル
繊維によく接着する
ポリエステル衣料(ウォッシャブル等) 130~160℃ ポリエステル
繊維以外ではやや劣る
すぐれている

 

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